イングリッシュハンドベルとミュージックベルには、それぞれ扱う際に注意しなくてはいけないことがあります。注意を守らずに扱うと、楽器の寿命を縮めてしまう可能性がありますので、演奏者は必ず以下のことに気をつけましょう。

イングリッシュハンドベルの場合

必ず綿製の手袋をする

綿製の手袋

イングリッシュハンドベルのキャスティング(鐘の部分)は、銅77%、錫23%の合金ですが、音質を重視してメッキ加工が施されていません。錆び付きの主な原因となる水分、油分の付着を防ぐために、扱う際は必ず綿製の手袋をしましょう。

一方、ミュージックベルは、キャスティングにメッキ加工が施されていて、錆び付きの心配はなく、素手でベルを扱えます。

ベル同士をぶつけないように

曲のセッティングをする時に、ベル同士をぶつけてしまう方がいます。ぶつけてしまうとベルに傷が付き、音色を損なう原因となりますので、ベル同士をぶつけないように気をつけましょう。また、ベルをケースから取り出したり、しまったりする時にも注意が必要です。

服装についての注意

基本奏法のリングは、胸に押しつけて音を消します。胸周辺にボタンやファスナーがある服を着ていたり、アクセサリーを付けていたりすると、消音時にベルと金属部分が接触してベルに傷が付きますので、胸周辺に金属の物がないかどうか、服装などに気を配りましょう。

一方、ミュージックベルは、音色がイングリッシュハンドベルよりも短い減衰音ですので、胸に押しつけて音を消す動作は基本的に必要ありません。したがって、服装などには特に気を配らなくても結構です。

ミュージックベルの場合

クラッパーを触わらない

ミュージックベルの構造(内側)

ミュージックベルは、シャフトと呼ばれるクラッパー(内側の振り子)を支える部分がバネでできていて、クラッパーを触ってバネを伸ばしてしまうと音程に狂いが生じます。そのため、特に子供達を指導する場合は、クラッパーに触ると壊れてしまうことをしっかりと理解させておくことが大切です。

一方、イングリッシュハンドベルは、シャフトが強度の高い金属でできていて、触っても伸びる心配がありません。クラッパーを指で弾いてキャスティングに打ちつける奏法があるように、クラッパーに触れるのはごく普通のことです。

ベル同士をぶつけないように

イングリッシュハンドベルと同様の注意が必要です。