イングリッシュハンドベルには様々な奏法がありますが、基本奏法のリングを使って演奏することがほとんどです。初心者の方は、まずはしっかりと正しいリングの奏法を身につけましょう。

基本奏法のリングに対して、その他の奏法は全て変化奏法と呼ばれます。このページでは、基本奏法のリングに加えて、実際によく使われる変化奏法をいくつかピックアップして、動画付きで解説します。

置き方と持ち方

まずはじめに、イングリッシュハンドベルの置き方と持ち方を確認しましょう。

イングリッシュハンドベルの置き方

置き方:ベルのマークが上向きの状態で寝かせて置きます。


イングリッシュハンドベルの持ち方

持ち方:ベルのマークが上向きのままハンドルをしっかりと握ります。

基本奏法と変化奏法

リング[Ring]

まずは、ハンドルを正しく握って胸の前で構えます。次に、大きな縦の円を描くように腕を回します。ベルの高さが一番下に来た時にクラッパー(内側の振り子)をキャスティング(鐘の部分)に当てて音を鳴らします。最後に、胸にベルを押しつけて音を消します。

シェイク[Shake]

ハンドルを握った手を胸の前から前方へ出します。少し手首の力を抜いてから、前後または左右に細かくベルを振り鳴らします。曲を盛り上げる目的で使う奏法で、主に高音域のベルを使います。

プラック[Pluck]

ベルをスポンジマットの上に寝かせます。片方の手でハンドルを押さえ、もう片方の手でクラッパーを指で弾いてキャスティングに打ちつけて短い音を出します。スタッカート奏法の一種で、低音域と中音域のベルを使います。

サム・ダンプ[Thumb Damp]

キャスティングを親指で押さえたまま、ベルを斜め前に倒して短い音を出します。スタッカート奏法の一種で、主に高音域のベルを使います。

マルテラート[Martellato](マート[Mart])

キャスティングをスポンジマットに打ち付けて短い音を出します。スタッカート奏法の一種で、リズムの早い曲に対応できます。

キャスティングをスポンジマットに打ち付けた後に、ベルを持ち上げて音を伸ばす奏法をマルテラート・リフト[Martellato Lift]と呼びます。

スイング[Swing](タワー・スイング[Tower Swing])

リングでベルを鳴らしてから、音を消さずに後ろまでベルを振ります。その流れのままベルを前に振り戻して、最後は胸にベルを押しつけて音を消します。

マレット[Mallet]

マレット

ベルをスポンジマットの上に寝かせた状態で、キャスティングをマレットと呼ばれる「ばち」で叩いて音を出します。

ベルをぶら下げた状態でハンドルを持ち、マレットでキャスティングを叩く奏法をサスペンデット・マレット[Suspended Mallet]と呼びます。

シェリー[Shelly]

シェリーの組み方

片手に2つずつ、合計4つのベルを持ちます。2つのベルの向きを同じ方向にして組んで和音を鳴らす奏法です。担当のベルが多く、持ち替えが困難な時に使います。

フォー・イン・ハンド[Four in hand]

フォーインハンドの組み方

片手に2つずつ、合計4つのベルを持ちます。2つのベルの向きを違う方向にして組んで交互に音を鳴らす奏法です。担当のベルが多く、持ち替えが困難な時に使います。