アサインメントとは、各メンバーに担当のベルを割り振る作業のことで、ハンドベル楽譜の一段目にあるアサインメント表(曲中に出てくる全ての音を五線譜に書き出した表)を使って行います。
アサインメントの方法は三者三様で、一般論で語るのは難しいですが、このページでは、私がアサインメントをする際に気をつけていることを三つご紹介します。
【アサインメント表】
できるだけ出番が均等になるように割り振る
出番が他のメンバーと比べて少ないことは、その方は決して口には出さないと思いますが、あまりよい気がしないものです。アサインメントをする方は、できるだけ出番が均等になるように割り振るべきだと思います。(メンバーのレベルに大きな差がある場合は、その限りではありません。)
出番が均等になるように割り振るには、全員に同数のベルを割り振ればよいというわけではありません。なぜなら、曲によってはほんの数回しか使われない音があるからです。面倒な作業かもしれませんが、一音一音、その曲に使われる回数を数えてから割り振るベルを調整しましょう。
各メンバーが得意とする音域に割り振る
メンバーによって、得意とする音域は異なります。メンバー一人ひとりの適正に合った音域のベルを割り振るようにしましょう。
低音域は、伴奏のフレーズを理解して、一定のタイミングで正確に音が出せる人。イングリッシュハンドベルの場合は、重たいベルでも問題なく振れる人。
中音域は、メロディーと伴奏の両方のフレーズを理解して、臨機応変にどちらの音も出せる人。
高音域は、メロディーのフレーズを理解して、感情表現豊かに音の強弱を付けながら演奏できる人。
このように、音域によって求められる適正は異なります。チーム結成当初など、各メンバーがどの音域を得意としているのかまだわからない場合は、曲によって担当する音域を変えて適正を見ましょう。(移動アサインメントといいます。)
一方、活動期間が長く、各メンバーの得意な音域が明白である場合は、担当する音域を固定してよいと思います。(固定アサインメントといいます。)
曲の繋がり(流れ)を意識して割り振る
アサインメントは、「レとミ」「ファとソ」「ラとラ♯とシ」というように、アサインメント表の順番通りに隣り合った2~3音を各メンバーに割り振ることが一般的とされています。なぜなら、大抵の曲が、音階順に進行していくメロディーのフレーズを持っているからです。
しかし、この方法がいつも正しいとは限りません。例として、「赤鼻のトナカイ」と「ルパン三世のテーマ」の楽譜の冒頭を見てみましょう。
【赤鼻のトナカイの冒頭】
赤鼻のトナカイの場合、「ソ」と「ラ」が続くフレーズがあるので、同じメンバーに担当させたほうがメロディーがきれいに流れます。
「ソ」と「ラ」は隣り合った音ですが、アサインメント表の順番通りに音を割り振ると、この2音の担当はそれぞれ別のメンバーになってしまうかもしれません。
【ルパン三世のテーマの冒頭】
ルパン三世のテーマの場合、「ド」と「ミ♭」が続く冒頭の大切なフレーズがあるので、同じメンバーに担当させたほうがメロディーがきれいに流れます。
「ド」と「ミ♭」は隣り合った音ではなく、アサインメント表の順番通りに音を割り振ると、この2音の担当はそれぞれ別のメンバーになってしまいます。
このように、「アサインメント表の順番通りに隣り合った2~3音を各メンバーに割り振ること」に固執してしまうと、曲の流れが悪くなることがあります。アサインメントをする方は、臨機応変に音を割り振るようにしましょう。