オーケストラや合唱団には必ず指揮者がいるように、ハンドベルチームにも指揮者がいることが一般的です。しかし、近年は、指揮者なしで演奏するチームをよく見かけるようになりました。
実は、私達も指揮者なしで演奏するチームです。このページでは、初めてハンドベルチームを作る方に向けて、どのようなチームに指揮者が必要であるのか、または必要でないのかをご説明します。
指揮者が必要である場合
指揮者が必要であるのは、多人数のチームです。多人数のチームが演奏を一つに合わせるには、曲の始まりの合図を出したり、テンポや強弱を指示したりする指揮者の存在が不可欠です。
また、メンバーにハンドベル初心者が多い、音楽経験者が少ない、演奏がまだ未熟であるといった場合には、メンバー数の多寡にかかわらず、音楽経験の一番豊富な方が指揮者を務めるのが望ましいと思います。
指揮者が必要でない場合
指揮者が必要でないのは、少人数のチームです。少人数のチームであれば、メンバーの一人が小さな声でカウントしたり、片手で小さく指揮したりして、曲の始まりをメンバー全員に伝えることができます。
テンポや強弱は、演奏が揃うようになるまで何度も繰り返し練習し、お互いに見合ってタイミングを合わせられるような一体感を作り出すことも、少人数のチームであるからこそ可能になります。
また、これはミュージックベルのチームによくあることですが、伴奏付きで演奏する場合は、伴奏が曲の始まりやテンポを伝える役割を果たすので、指揮者がいなくても特に問題はありません。
それぞれの長所・短所
指揮者は多くの場合、指導者の役割も兼ねています。そのため、指揮者がいるチームでは、どんなに風通しのよいチームであっても、演奏者が曲を作り上げる過程に参加することは難しいと思います。
一方、指揮者がいないチームでは、メンバー全員が演奏者として同じ立場で意見を出し合って曲を作り上げていくことができます。私達のチームは、曲のアレンジ、アサインメントなどを私が代表して行っていますが、何事も必ずメンバー全員でしっかりと話し合ってから最終的に決めるようにしています。
しかし、指揮者がいなければ、曲調の速い曲を合わせることに限界があります。曲調の速い曲は、お互いに見合ってタイミングを合わせられる余裕がないので、指揮者がいたほうが曲の完成度は高くなるのです。
このように、どちらも一長一短ですが、それぞれの長所と短所、チームの内情などを総合的に考えて、どちらにするかを決めましょう。