イングリッシュハンドベルは、ベルを構成する部品が破損した場合、その部品を新品に交換して同じキャスティング(鐘の部分)を使い続けます。一方、ミュージックベルは、どこかに不具合が生じた場合、ベル自体を買い替えます。
ミュージックベルは消耗品というのは少し言いすぎかもしれませんが、故障したベルを見つけたらすぐに新品を単音で購入しましょう。このページでは、何かと手間のかかるイングリッシュハンドベルのメンテナンスの方法をご説明します。
研磨剤を使ってキャスティングを磨く
【練習後は必ず乾拭きする】
イングリッシュハンドベルのキャスティングは、音質を重視してメッキ加工が施されていません。お手入れしないと錆び付いてしまう可能性がありますので、練習後は必ず磨き布でキャスティングを乾拭きします。
【定期的に研磨剤を使ってベル磨きをする】
また、定期的に研磨剤を使ってベル磨きをすると効果的です。柔らかい綿製の布に研磨剤を付けて、キャスティングを丁寧に磨き上げましょう。私達は、本来の輝きを取り戻したベルをお客様に見ていただきたいとの思いから、コンサートの前に必ずベル磨きをするようにしています。
スプリング、ハンドル、クラッパーなどの状態を確認する
イングリッシュハンドベルのキャスティングは、練習後の乾拭きや定期的なベル磨きを通してしっかりとメンテナンスを行い、同じものを使い続けます。一方、スプリング、ハンドル、クラッパーなどの部品は、破損したら新品に交換します。
スプリング、ハンドル、クラッパーなどの部品は聖文舎さんから購入できますが、在庫切れで手元に届くまでに時間がかかることがありますので、破損しそうな部品を見つけたら早めに新品を購入しましょう。
スプリング
【新品のスプリング(左)と長年使い続けたスプリング(右)】
スプリングはキャスティングの内側にあります。部品の中では一番の消耗品で、長年使っていると必ず割れます。破損しやすい部品ですので、いつでも交換できるようにあらかじめ予備を購入しておくことをお勧めします。左は交換後の新品のスプリングで、使い続けていくうちに右のように変色していきます。
【割れたスプリング】
【スプリングの予備】
スプリングのネジは、締め方の加減でクラッパーがキャスティングに当たる感覚(打感)を調整できます。その感覚がどのベルもほぼ均等になるように、コンサートの前に調整しておきましょう。
ハンドル
【ひびが入ったハンドル】
【新品のハンドル(左)と長年使い続けたハンドル(右)】
ハンドルは、スプリングと違って簡単に割れることはありません。少しひびが入ったからといって演奏に支障が出るというわけではありませんが、念のため、早めに新品を購入しましょう。