ミュージックベルは1982年に日本で誕生したばかりの新しい楽器です。そのため、ミュージックベル関連の書籍を読み比べてみると、奏法の名前や説明が異なっていたり、新しい奏法が紹介されていたりすることがあります。
そこで、このページでは、基本奏法の「くぎ打ち奏法(別名:単打音奏法、1音打ち奏法)」に加えて、一般的に認められている変化奏法をいくつかピックアップして、動画付きで解説します。
置き方と持ち方
まずはじめに、ミュージックベルの置き方と持ち方を確認しましょう。
置き方:英語音名のマークが上向きの状態で立たせて置きます。
持ち方:親指をハンドルと平行にして握ります。大人は小指を外して4本の指で、子供は5本の指で握ります。
基本奏法と変化奏法
くぎ打ち奏法(単打音奏法、1音打ち奏法)
かなづちで釘を打つように、手首と肘を使ってベルを前に倒します。前に倒した時に瞬間的に動きを止め、クラッパー(内側の振り子)をキャスティング(鐘の部分)に当てて音を鳴らします。
余韻奏法(サステイン奏法)
大きな縦の円を描くように腕を回します。ベルの高さが一番下に来た時にクラッパーをキャスティングに当てて音を鳴らします。腕を回すことで音の余韻を長く持続させる奏法です。イングリッシュハンドベルの基本奏法のリングと似た奏法ですが、胸に押しつけて音を消す動作は基本的には必要ありません。
トレモロ奏法
ハンドルを握った手を胸の前から前方へ出します。少し手首の力を抜いてから、前後または左右に細かくベルを振り鳴らします。イングリッシュハンドベルのシェイクと同じ奏法です。
スタッカート奏法
キャスティングを親指で押さえたまま、ベルを斜め前に倒して短い音を出します。イングリッシュハンドベルのサム・ダンプと同じ奏法です。
消音について
ミュージックベルの音色は、イングリッシュハンドベルよりも短い減衰音ですので、基本的には演奏中に音を消す必要はありませんが、ベルに指を当てたり、胸に押しつけたりすると、音の長さに忠実に消音することができます。